ジュエリークラフトマン
想いを形にする仕事
クラフトマンの仕事には二つの技術が必要になります。伝統的技法である“彫金”と現代的な技法の“ロストワックス技術”です。
古くは鎌倉時代に確立された寺院の金具や仏具の金彫技術に由来し、江戸時代の錺(かざり)職や明治以降の宝飾品に受け継がれ、現在の糸ノコ・ヤスリ・ロウ付けを主体とする彫金へ形を変えました。
ロストワックス(ろう)が発達したのは、第2次世界大戦以降のアメリカ。ワックスでジュエリーの原型を作り、鋳造(キャスト)してジュエリーを仕上げる技術です。
デザインによって必要とされる技術は異なり、その都度適した方法で制作します。
また、クラフトマンの仕事は細分化されており、金属の種類やジュエリーのアイテム別に工程の担当が分業化されているのが現状です。
仕事の範囲を大きく分けると、
- 販売された商品のサイズ直し
- 企業ないし外注として量産商品の製造
- 1点もののオーダー制作
- ジュエリーリフォーム
になります。
- 必要なスキル
- クラフト、デザイン、ジュエリー品質判定、宝石、市場動向
ジュエリークラフトマンの現状と未来
海外ブランドが押し寄せる日本のジュエリー業界では、日本テイストのオリジナル商品の開発が生き残りへのキーワードとなっています。
生き残るためには、器用な手先、勤勉さ、旺盛な探求心、そして日本人独特の感性を表現できることが必要不可欠です。
さらに、ジュエリーに必要なデザイン性・作り・宝石の善し悪しがわかり、使い心地や使い勝手などトータルな能力が求められます。
クラフトマンとしての到達目標を何処にするかで変わってきますが、総合力のあるクラフトマンや可能性のある人材であれば、各企業でのオファーはもちろんの事、将来の独立することも夢ではありません。
こんなあなたは、ジュエリークラフトマンがおすすめ!
- 無から一つ一つ作り上げていくのが好き
- 美しいものが好き
- 細かなことが苦にならない
- 手際よく作業ができる
JBSのカリキュラムを通して身につけるスキル
JBS宝石・ジュエリー鑑定コース
これまでジュエリーのジュエリー業界には「ジュエリー鑑定士資格」については、存在すらしませんでした。
JBSでは宝石だけでなく、デザイン・つくりを含めたジュエリー全体を評価できる「ジュエリー鑑定士資格」が取得できます。
また、優れたジュエリーを観ることは自分の感性が磨かれるだけでなく、制作者の意図を読み取ることで宝飾品加工の歴史や職人の心意気を学ぶことができます。
ジュエリークラフトマン 中野 宏美さん(JBS第12期卒業生)の場合
小さい頃から宝石が好きで、中学生の時にジュエリーデザイナーという仕事を知りました。短大でもジュエリーを学びましたが、伝統工芸としてジュエリーを制作したいと思い、JBSに入学しました。今はクラフトマンとして修行の毎日です。技術を身に付けるということは、中途半端な気持ちではできません。まだまだ勉強中ですが、いつかはイタリアの工房で仕事ができるようなクラフトマンを目指してがんばります。