ジュエリーの話
畠校長の誕生石にまつわるコラムの他、ジュエリー全般のお話を紹介しています。
5月の誕生石 エメラルド
愛と美の象徴
エメラルド・グリーンのように輝いて
エメラルド・グリーンという美しい響きからどんなイメージが浮かび上がってくるだろう。透き通った南の海…。
そこにはきらめく太陽がさんさんと降り注いでいる、穏やかなカリブ海といったところだろうか。
良質のエメラルド、しかも大粒の結晶が産出するのは、南米コロンビア。全産出量の60~70%を占める。とりわけゴタデ・アシェイテと呼ばれる最良質はまさに、澄み渡るカリブ海そのものだ。
コロンビア産のエメラルドの起源は、数億年前の古生代にさかのぼる。当時のコロンビアは海の底だったと言われている。なぜそんなことが言えるのだろう。実は海の証拠、お塩がエメラルドの中に封印されていた。
コロンビアのエメラルドはもともと海の底に堆積した水成岩が、地球の沈降運動によって地下数十キロまで沈降し、マグマの高温高圧の洗礼を受け析出されたという。
宝石顕微鏡下、エメラルドの内部世界をのぞいてみよう。まさに海の中が目の前に広がりを見せる。注意深く観察すると、三相インクルージョンを発見することが出来るだろう。
三相インクルージョンとは液体、気体、固体の三体からなるインクルージョンのことだ。液体は取り残された古生代の海水、その中には真ん丸い気体とともに四角の固体がおさまっている。
この四角の固体こそ塩分が固まったお塩といわれている。
ジュエラーは三相インクルージョンを発見することによって、天然コロンビア産エメラルドのお墨付きを得る。
インクルージョン観察は目にうるおいを与え、しばし海中遊泳を楽しませてくれる。ジュエラー冥利にひたれる一瞬だ。
はるか数億年前のコロンビアの海はきっとエメラルド・グリーンに輝いていたことだろう、想いははせる。
神話時代の海からうまれた美神ビーナスは瑞々しく艶やかだ。
想像するにエメラルド・グリーン色のキラキラと澄み渡る海から産まれたのだろう。
愛と美の女神ビーナスの象徴石をご存知だろうか…それはエメラルド。
エメラルドは女性に、愛のキラメキ、美のキラメキ、そしてキラキラ、キラキラ、水のキラメキを与えてくれる。
ジャパンジュエリービジネススクール
校長 畠 健一
校長ブログ のんきな校長の1日